【登録販売者必見】薬局での接客で使えるクッション言葉の例

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
登録販売者が日々働く中で悩むポイントに「接客」があります。とくに、お客さまに声をかけるタイミングが難しかったり、ネガティブな回答をしなければならなかったりする場合、「どのような言い回しが適しているのだろうか」と悩むこともあるでしょう。
今回は、接客時に使えるクッション言葉をご紹介します。シーンごとのクッション言葉を自分の中に用意しておき、スムーズな接客をおこないましょう。
目次
- ・登録販売者が接客マナーを身に付けるべき理由
- ・【登録販売者向け】シチュエーション別クッション言葉
- ・登録販売者が接客でクッション言葉を使うメリット
- ・【登録販売者向け】言葉遣い以外の接客ポイント
- ・お客さまに信頼してもらうためのコミュニケーション方法
- ・【例文あり】シーン別登録販売者の接客ポイント
- ・まとめ|クッション言葉でお客さまに寄り添う接客を
登録販売者が接客マナーを身に付けるべき理由

クッション言葉を上手に使うには接客マナーの確認が必要です。基本的なマナーを理解したうえで、適切なタイミングでクッション言葉を活用していきましょう。
お客さまと信頼関係を築くため
接客マナーが大切な理由は、第一にお客さまとの信頼関係構築が登録販売者にとって重要なためです。どれだけ薬の知識を持っていたとしても、お客さまにしかるべき形で適切な情報を届けられなければ意味がありません。
とくに、お客さまによっては自分の症状に不安を抱えナイーブになっている場合もあるでしょう。その際に不適切な言動をおこなうと信頼関係を築けず、お客さまにとって最善のアドバイスができなくなります。
来店時に挨拶をする、丁寧な言葉遣いをおこなう、相手の話を聞いてから回答するといった基本的な接客マナーは信頼関係構築の重要なポイントです。
顧客満足度を向上させるため
接客マナーを身につけると基本的な応答が改善され、顧客満足度の向上にもつながります。お客さまが陳列棚を見ている時にただ挨拶するだけでなく「お困りでしたらお声掛けください」と一言伝えるだけでも「自分のことを見ていてくれた」「助けてくれる人がいた」とお客さまは満足感や安心感を得られるでしょう。
顧客満足度が高まるとリピーターの獲得につながり、店舗の売上も安定します。お客さま一人一人の顧客満足度を高めていくには、基本的な接客マナーが欠かせません。
また、接客マナーを身につけることで対人での基本的なやり取りが丁寧になります。そのため、お客さまはもちろん従業員間でのコミュニケーションも円滑になるでしょう。
【登録販売者向け】シチュエーション別クッション言葉

ここでは登録販売者向けにシチュエーション別のクッション言葉を紹介します。自分の中で接客におけるお守りとしましょう。
何かを依頼するときのクッション言葉
ここでは何かを依頼したい時のクッション言葉を紹介します。従業員に何かを依頼するとき、お客さまに何かをお願いするとき、いずれも活用可能です。今回はお客さまに向けたケースを紹介します。
「お客さま、差し支えなければ、飲んでおられるお薬を教えていただいてもよろしいでしょうか。」
「お薬ですが、現在在庫を切らしており、明日到着予定です。お手数をおかけしますが(ご足労をおかけいたしますが)改めて来店いただけますと助かります。」
相手にとって手間がかかったり、ネガティブな印象を与えたりする場合は、「差し支えなければ」「お手数をおかけしますが」「おそれ入りますが」などのクッション言葉を活用しましょう。
何かを断るときのクッション言葉
何かを断る場合もクッション言葉は重要です。突然「できません」「ありません」と伝えると不快感を与えてしまいます。やむを得ず断る必要がある場合は、下記のクッション言葉を活用しましょう。
「お客さま、申し訳ございませんが、当店ではそちらのお薬を取り扱っておりません。」
「お気持ちはありがたいのですが、社内の規則にて禁止されておりますのでご遠慮させていただきます。」
断る際は相手の提案を一度受け入れたけれど、やはり断る必要があったと伝えるクッション言葉がポイントです。
お客さまに提案するときのクッション言葉
お客さまに薬や対処の提案をおこなう際は、下記のクッション言葉がおすすめです。
「もしよろしければ、こちらの商品はいかがでしょうか。」
「ご迷惑でなければ、悩んでいらっしゃる症状についてお聞かせいただけないでしょうか。」
自分にはお客さまの話を聞く気持ちがあり「もし相手が迷惑でなければ」という気持ちを込めて伝えると、信頼関係構築が叶うでしょう。
登録販売者が接客でクッション言葉を使うメリット

ここからは登録販売者が接客においてクッション言葉を使うメリットを2つ紹介します。
お客さまに好印象を与えられる
クッション言葉を使うことで、目の前にいるお客さまに好印象を与えられます。お客さまは何らかの悩みがあってドラッグストアに来店しているため、不安な気持ちでいる方も多いでしょう。
その中で登録販売者という有識者に声をかけられると安心し、自分の悩みを相談しやすくなります。さらにクッション言葉を使い相手の立場に立った対応をおこなうと「このお店には相談できる人がいる」「優しい人」と好印象を与えられるでしょう。
お客さまの気分を害さない
クッション言葉を活用すると、言い出しにくい提案や事態も柔らかく伝えられます。そのため、お客さまの気分を害さずに接客が可能です。
とくに、普段から飲んでいたり使っていたりする商品が店舗にない場合、お客さまは憤りを感じることもあるでしょう。そして登録販売者に対して心ない言葉をかける可能性もあります。
しかし、断る際に相手のことを思いやっているという気持ちが少しでも見えると、お客さまのネガティブな感情を最低限度に抑えられます。
【登録販売者向け】言葉遣い以外の接客ポイント

ここからはクッション言葉を始めとした言葉遣い以外に、登録販売者がチェックしたい5つのポイントを紹介します。言葉遣いは表情や振る舞いと合わせて意識してみましょう。
笑顔で挨拶をする
お客さまとの最初の接点は挨拶です。挨拶を笑顔でおこなうと受け入れられやすくなり、相手に好印象を与えられます。
お客さまの目を見ず、通りすがりに挨拶をすると「仕事だからやっている」という態度が透けて見えてしまいます。しかし、お客さまと目が合った時に「いらっしゃいませ」「おはようございます」など笑顔で声をかけると、お客さまも温かい気持ちになり、登録販売者に対して声をかけやすくなるでしょう。
明るいトーンで話しかける
お客さまに話しかける際は明るいトーンで話しかけましょう。初めて話をする方の場合、緊張して必要以上にかしこまったり業務的なトーンになったりしがちです。
しかし「もしよければご相談くださいね」「いつでもお声がけください」と明るめのトーンで話しかけると、お客さまとの距離が縮まり、具体的な相談から購入につながりやすくなります。
清潔感のある身だしなみを心がける
表情や話し方と合わせ、普段の身だしなみも重要なポイントです。シャツがシワだらけになっていたり、エプロンが汚れていたりすると清潔感がなく、お客さまは「この人に相談しても大丈夫だろうか」と不安を抱えます。どの店舗もマニュアル設定なされていますが、今一度、清潔感のある身だしなみを意識しましょう。
専門用語を使わない
お客さまと対話する場合、専門用語は控えましょう。専門用語を使うとお客さまは理解を深めにくくなります。専門用語はわかりやすく具体例を出して解説したり、噛み砕いて解説したりして、お客さま目線での説明を心がけましょう。
電話の際は表情が見えないためよりトーンや言葉づかいに気をつける
登録販売者は電話でお客さまの対応をおこなう機会もあります。電話の場合、対面よりも表情や意図が読み取りにくいため、より丁寧な説明や声の抑揚に注意しましょう。
説明しながら都度お客さまに疑問点を確認し、意識的に口角をあげながら話すと電話でもよい印象を与えられます。
なお、接客力を高めるコツについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
【現役登録販売者のリアルな接客ノートを大公開】接客力アップの秘訣とは
お客さまに信頼してもらうためのコミュニケーション方法

ここからはお客さまに信頼してもらうための、3つのコミュニケーションのコツを紹介します。
なお、お客さまから登録販売者が聞かれやすい質問について下記でも解説しています。ぜひご覧ください。
お客さまの話をよく聞く
まずはお客さまの話をよく聞きましょう。お客さまの話や困りごとをすべて聞いたうえで、自分の持つ知識から適切なものを選び提案していきます。
お客さまの気持ちに寄り添う
提案をおこなう際もお客さまの気持ちに寄り添った対応が必要です。効果があるからといって一方的に医薬品を勧めるのではなく、いくつかの選択肢を用意しそれぞれのメリット・デメリットを紹介したうえでお客さまが選択できる環境を整えましょう。
薬に関する知識を更新する
登録販売者は合格後も常にお薬に対する知識のアップデートが必要です。ニュースや専門雑誌をチェックし、常に新しい商品やニュースに触れることで、お客さまによりよい情報を提供できます。
なお、顧客満足度については下記の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。
【現役ドラッグストア店長直伝】登録販売者のお客さま満足度アップ方法<登録販売者のキャリア>
【例文あり】シーン別登録販売者の接客ポイント

ここでは接客のより具体的なシーンで使えるフレーズを紹介します。自分の中でフレーズを復唱し実践で役立てましょう。
薬を飲むことが目的になってしまっているお客さまに対しての接客
薬に頼りがちなお客さまには下記の対応がおすすめです。
「〇〇のお薬を現在服用されていらっしゃるのですね。こちらとあわせて〇〇の食材を積極的に食事に取り入れたり、睡眠時間を長く確保したりといった点を生活で意識すると、症状改善に向けてお薬でだけでなく対応していけます。」
薬を正しく服用していないお客さまへ注意喚起するときの接客
薬の服用方法が誤っているお客さまには、柔らかく正しい方法を伝えましょう。
「お客さま、こちらのお薬ですが食後ではなく食前に飲むことで薬の成分がより働きやすくなります。お食事前にダイニングテーブルに置いておいて飲む習慣をつけてみるのはいかがでしょうか。」
薬についてわからないことがあったときの接客
自分で商品についてその場で判断できない場合は、一度断りを入れてから調べる方法がおすすめです。下記のフレーズを試してみましょう。
「ご相談いただきありがとうございます。お薬について詳細な資料が裏にありますので確認してまいります。お時間をいただきおそれ入りますが少々お待ちください。」
いずれもただ事実を伝えるのではなく、相手の話を聞き入れたうえで対応を柔らかく伝えましょう。
まとめ|クッション言葉でお客さまに寄り添う接客を
クッション言葉は、登録販売者が接客をおこなう中で欠かせないフレーズです。相手に不快感を与えず納得してもらうために「相手の話を聞く」「お客さまの気持ちに寄り添う」「正しい情報を伝える」といった手順やポイントを意識して、丁寧な接客をおこないましょう。
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