非正規雇用で働く登録販売者が正社員になるには?登用ルートやキャリアアップのコツを解説

こんにちは、登録販売者転職のアポプラス登販ナビライターチームです。
登録販売者としてパートや派遣などの非正規雇用で働いている方の中には、将来的に正社員として安定した働き方を目指している方も多いのではないでしょうか。実際には「正社員登用は難しい」といわれることもありますが、実務経験を積みながら戦略的にステップを踏めば、達成は十分可能です。
本記事では、非正規雇用で働く登録販売者が正社員になるためのルートや、キャリアアップを成功させるための具体的な取り組みについて解説します。正社員として活躍したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- ・非正規雇用の登録販売者が正社員になるのは不可能ではない!
- ・正社員の登録販売者の求人状況は?
- ・正社員を目指す登録販売者がやるべきこと
- ・非正規雇用の登録販売者が正社員になるための2つのルート
- ・非正規雇用の登録販売者が現在の職場で正社員を目指す場合のポイントは?
- ・非正規雇用の登録販売者が転職で正社員を目指す場合のポイントは?
- ・まとめ|登録販売者で正社員になるのは決して難しい道のりではない!
非正規雇用の登録販売者が正社員になるのは不可能ではない!

非正規雇用の登録販売者が正社員になることは難しいと思われがちですが、現場での努力と経験の積み重ねがあればなれるといわれています。
正社員を前提とした求人では「管理者要件を満たしていること」が条件となるケースが多いため、これが重いハードルとしてのしかかっているパターンもあります。
一方で、管理者要件は実務経験を積むほか、必要に応じて追加的な研修を受けることでクリアできるため、あくまで通過点にすぎません。アルバイトやパートの立場であっても、業務に主体的に取り組み、責任のあるポジションで信頼を築いていくことで、正社員への登用を実現しているケースもあります。
正社員の登録販売者には給与や福利厚生、キャリアアップの面で大きなメリットがあります。厳しい道のりではありますが、継続的にスキルと経験を積んでいけば、登録販売者として正社員を目指す道は決して閉ざされていないのです。
詳しくは以下の記事を参照してください。
【登録販売者】パートから正社員へ!昇格の流れやポイントを詳しく解説
正社員の登録販売者の求人状況は?

近年、登録販売者の需要は年々高まっており、求人市場も活性化しているといわれています。しかし、未経験者や管理者要件を満たしていない場合は、正社員として応募できる枠が限られるため「狭き門」だともいえます。なぜなら、企業が即戦力として働ける人材を求めている傾向があるためです。
中小規模のドラッグストアでは、正社員に幅広い業務と責任が求められる傾向が顕著です。登録販売者の求人内容を詳しく見ると「店長候補」や「管理者経験者優遇」などの単語が見受けられ、経験の浅い方の中にはハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
こうした背景から、登録販売者の正社員登用は難しいという印象が強まっているのです。
企業ごとの採用方針には違いがあり、研修制度が整っているため未経験でも段階的にキャリアアップできる企業もあります。そのため、正社員を目指すなら、自身の状況に合った採用方針の企業を見極めることが重要です。
正社員を目指す登録販売者がやるべきこと

非正規雇用の登録販売者が正社員を目指すには、日々の業務の積み重ねと戦略的な姿勢が不可欠です。では、具体的にやるべきことは一体何なのでしょうか。ここでは、正社員を目指す登録販売者がやるべきことを2つ解説します。
管理者要件を満たす
登録販売者として正社員を目指す際に、まず突破すべき壁は「管理者要件を満たす」ことです。管理者要件を満たすために必要な実務経験の条件は、以下の通りです。
- 直近5年間のうち従事期間が2年(累計1,920時間)以上
- 直近5年間のうち従事期間が1年(累計1,920時間)以上+継続的研修+追加的研修
- 直近5年間のうち従事期間が1年(累計1,920時間)以上+過去に店舗管理者または区域管理者として業務に従事したことがある。
1,920時間以上の労働時間は、月160時間以上働けば1年で達成できます。この条件をクリアすることで、OTC(一般用医薬品)を一人で販売できるようになり、店舗において責任ある立場になれます。
ここで注目すべきなのは、アルバイトやパートの立場での業務も実務経験としてカウントされるという点です。つまり、非正規雇用であっても計画的にシフトに入ることで、管理者要件の達成は十分に可能なのです。
実際に、パートやアルバイトでコツコツと実績を積み信頼を得ているスタッフが、正社員へと登用されていくケースもあります。
管理者要件には、勤務実績の記録や業務内容の証明が必要になる場合もあります。そのため、就業先の責任者と日頃からしっかりとコミュニケーションを取り、必要に応じて証明書の発行などを相談できる関係を築いておくと安心です。
このように、管理者要件のクリアは、正社員へのルートに直結するだけでなく、店舗運営に対する理解や責任感を養うことにもつながります。正社員を目指すのであれば、まずは勤務時間と業務範囲を広げる意識を持ち、管理者要件の達成を一つの目標として取り組んでください。
より詳しい実務経験の積み方については以下の記事でも解説されています。
登録販売者の実務経験はどこで積む?合格後のキャリア形成について紹介
即戦力としてのスキルを磨く
登録販売者が正社員として採用されるためには、単に資格を持っているだけでなく、現場で即戦力として活躍できるスキルが求められます。
まず、資格取得や研修制度の活用を通じて、専門知識を常にアップデートすることが重要です。登録販売者試験に合格した後も、薬機法や医薬品情報は更新されます。そのため、継続的な学習は欠かせません。各企業では独自の研修制度を設けているケースも多く、受講を積極的に申し出れば向上心を示すことにもつながります。
さらに、接客スキルや売り場づくりの知識、在庫管理やレジ対応など、店舗運営全体にかかわる業務への理解を深めていく姿勢が求められるでしょう。とくに、売上に直結する売り場づくりや、お客さまへの的確な商品提案は、評価されやすいといわれています。経験値を増やすことで、自信を持って判断・対応ができるようになり、職場内での信頼も高まるでしょう。
こうしたスキルは、日々の業務の中で少しずつ磨いていけます。研修制度や現場での経験を活かしながら、正社員にふさわしい存在として周囲に認められるよう、積極的な姿勢を示しましょう。
以下の記事でも、スキルアップの具体策が紹介されているため、あわせて参考にしてください。
登録販売者にダブルライセンスは必要?管理栄養士や他の資格について解説
非正規雇用の登録販売者が正社員になるための2つのルート

非正規雇用の登録販売者が正社員になる方法は「現在の職場で昇格する」か「転職して正社員になる」の2つです。いずれのルートにもメリットとデメリット、注意点があるため、自分の状況に合ったルートを選びましょう。ここでは、登録販売者が正社員を目指す方法を詳しく解説します。
現在の職場で正社員を目指す
職場に正社員登用制度があれば、働きながら正社員を目指せます。この方法で正社員になるには、制度の有無や実績、昇格までの流れを確認し、条件を満たせるよう努力を重ねることが大切です。
ただし、制度があっても昇格の実例が少ない企業では、努力が報われにくいケースもあるため注意してください。
正社員登用制度についての詳細は、以下の記事を参考にしてください。
【登販向け】正社員登用制度の利用状況は?どのような人が社員になるのか経験者にインタビュー
転職して正社員を目指す
現在の職場で昇格が難しいと判断した場合は、転職して正社員を目指すのが現実的な選択です。とくに、パートや契約社員としての待遇に限界を感じている方におすすめです。
転職によって正社員のポジションを狙うには、求人の見極めや選考対策が欠かせません。企業が求める人材像を理解し、それに合致するアピールをしなくてはならないのです。新しい環境でゼロからのスタートになることもありますが、条件が整えばキャリアアップの近道になるはずです。
非正規雇用の登録販売者が現在の職場で正社員を目指す場合のポイントは?

非正規雇用の登録販売者が現在の職場で正社員を目指す場合には、すでに信頼関係や実績がある環境で働けるというメリットがあります。転職とは異なり、新しい職場に馴染めないといったリスクを避けられる一方で、主体的な行動が求められる点には注意が必要です。
現在の職場で正社員を目指すなら、制度の仕組みと昇格のタイミングを正確に把握しなくてはなりません。ここでは、今働いている職場で正社員を目指すために押さえておきたい3つのポイントを解説します。
会社の正社員登用制度を徹底リサーチ
社内に正社員登用制度があるかどうかを確認し、その内容をしっかり理解しておきましょう。過去に昇格した人がいるか、どのような評価基準で選ばれているかをチェックすれば、正社員になれる可能性がどのくらいあるのかがわかるのです。
昇格に必要な勤務年数や資格の有無、面談のタイミングなども具体的な要件としてあげられるため、あわせてチェックしておきましょう。可能であれば、実際に正社員になった人から話を聞くと、よりリアルな情報を得られます。
上司との信頼関係を築く
正社員として登用を希望している場合、上司との日常的なコミュニケーションが大切です。なぜなら、たとえ正社員登用制度があっても、現場の評価次第でチャンスが左右されてしまうためです。
日頃の業務を誠実にこなしつつ、責任ある仕事も積極的に引き受けて信頼を積み重ねましょう。また、定期的な面談の機会があった場合、「今後、正社員登用にチャレンジしたいと考えており〜」など、正社員を目指している意欲をはっきり伝えてください。これは自分の意志を示すことで、タイミングが来たときに優先的に推薦される可能性が高まるためです。
人手不足の時期に昇格を打診する
店舗や企業が人手不足の状況にあるときは、昇格のチャンスです。なぜなら、繁忙期や人員が急に減った時期は、企業側も即戦力の確保を急ぐため、登用が活発になる傾向があるためです。
正社員を狙っている方は、人手不足のタイミングを逃さないでください。チャンスだと思ったら自分が貢献できることをアピールして、昇格を打診してみましょう。
ただし、昇格の門は常に開かれているわけではありません。厳しい選考が待ち受けている可能性もあるのです。そのため「正社員登用制度は狭き門」であることを理解し、状況によっては転職も視野に入れておきましょう。
非正規雇用の登録販売者が転職で正社員を目指す場合のポイントは?

現職で昇格の可能性が低いと感じたとき、転職によるキャリアアップは有効な手段です。非正規雇用の登録販売者が正社員を目指して転職する場合は、事前準備と情報収集の質が結果を左右します。ただし、やみくもに求人に応募してはいけません。登録販売者としての市場価値や選考対策を意識した行動が大切です。
ここでは、転職で正社員を目指す際に重要となる3つのポイントについて解説します。
登録販売者の転職市場を理解する
まずは、登録販売者としてどのような求人があるかを把握しましょう。ドラッグストアや調剤薬局、小売企業など、求人を出している業種には一定の傾向があります。正社員募集の多くは、管理者要件を満たしている人材や、即戦力として働ける人を求めています。
そのため、自分の経験年数や実務スキルがどれだけ通用するのかを冷静に分析することが重要です。市場価値を理解したうえで、自分が応募すべき企業の範囲を明確にしておきましょう。
選考対策を万全におこなう
正社員採用の選考では、登録販売者の知識や経験だけでなく、人柄や志望動機も重視されます。
書類選考では、「どのような課題に直面し、自分がどのように貢献したか」を具体的に伝えることがポイントです。成果を数値などで示せると、より説得力が増します。応募先企業の事業内容や求める人材にあわせて、アピールする内容や視点を柔軟に調整するのもおすすめです。文章を書くことが苦手な方は、実際の職務経歴を生成AIに入力し、転職先企業にあわせた文章にアレンジしてもらってもよいでしょう。
面接では、なぜ今の職場を離れたいのか、なぜその企業を選んだのかを一貫したストーリーで話すことが大切です。
企業が求める人物像を理解し、それにあわせたアピールができるかどうかで、採用の可能性は大きく変わります。準備の甘さが不採用につながることもあるため、事前に模擬面接なども取り入れて対策しておきましょう。
登録販売者の面接対策に関しては以下の記事で詳しく解説しているため、書類選考を通過した方は参考にしてください。
登録販売者の面接対策 ~志望動機や事前準備のポイント
転職エージェントを利用する
転職活動をスムーズに進めたい場合、登録販売者向けの転職エージェントを活用するのがおすすめです。転職エージェントは、非公開求人の紹介や、応募書類の添削、面接対策まで手厚くサポートしてくれます。とくに、正社員登用を前提とした求人を優先的に紹介してもらえるため、情報収集の効率が大幅にアップします。
1人で転職活動するのは不安や悩みが多く、なかなかうまくいかないこともあるでしょう。そのようなとき、プロの知見を借りれば、成功の可能性が高まるはずです。
アポプラス登販ナビでは、登録販売者の転職に特化したキャリアコンサルタントが転職活動をサポートし、正社員を狙える求人をご紹介しています。プロのアドバイスを受けたい方や非公開求人を知りたい方は、以下のリンクからぜひ一度ご相談ください。
まとめ|登録販売者で正社員になるのは決して難しい道のりではない!
非正規雇用の登録販売者が正社員になるためのルートは「職場内で昇格を目指す方法」と「転職によるキャリアアップ」の2つです。どちらの道を選ぶにしても、大切なのは主体的に動き、適切なタイミングを見極めて行動することです。
本記事を参考にして今後のキャリアを見据え、前向きな一歩を踏み出しましょう。
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